9月7日から10日まで「第38回アジア太平洋映画祭」が同時開催されたことで、より一層の賑わいをみせた。観客は例年に増して多くのアジア映画を目にすることができ、またジャッキー・チェンや名取裕子など内外の豪華なゲストたちと接することができた。 前年のベトナム映画特集に続き、この年のモンゴル映画特集も世界的に注目を集めた。上映された6本の作品は翌年2月のベルリン映画祭フォーラム部門で全作品が紹介され、ハワイやインドの各映画祭でも一部が紹介された。モンゴル映画は外国語の字幕を付ける技術もなく、資金もままならないため、独自に国外の映画祭に出品できず、「マンドハイ」等の一部の作品を除いて、国内に埋もれたままになっていた。 93年のベルリン映画祭でグランプリを分けあったのは中国と台湾の作品だった。その「香魂女」と「ウェディング・バンケット」がともに上映され、入場者数の上位を占めた。ゲストで訪れた「ウェディング・バンケット」の父子役は当然のことながら、到るところでサイン責めにあっていた。 イラン映画といえば真っ先にアッバス・キアロスタミ監督の名前があげられるが、日本での人気を決定づけたのが「友だちのうちはどこ?」である。この作品は福岡においても、その後のイラン映画への関心を高める上で大きな役割を果たしたことはいうまでもない。 日本映画は福岡出身の川島透監督作品と、最近作「アドレナリンドライブ」でパワー全快なところを見せた矢口史靖監督の劇場用長編第1作で、ともに異色の作品であった。 協賛企画として「草の上の仕事」や「ヒルコ〜妖怪ハンター」などの日本の若手作家の長・短編16作品が上映された。