タイで女性の権利のために闘った実在の人物を、人気女優チンタラー・スカパットが演じた話題作「ムアンとリット」をオープニング作品にしたこの年の映画祭では、協賛企画や特別上映など含めて36作品が上映された。 特集上映は、シンハラ語映画の歴史を変えたといわれる「運命線」など新旧7作品を集めたスリランカ映画で、同作品のレスター・J・ピーリスをはじめとする10人がゲストとして来福。「スリランカの映画と文化」と題したフォーラムも併せて開催され、映画と文学を含めたスリランカ文化の紹介が行われた。 トルコの「メルセデス、わが愛」というほろ苦い喜劇が大変評判となった。ドイツに移住した男の目を通して描かれた故郷の物語は、ギュネイ監督とはまた違ったトルコの一面を見せてくれた。また、70年代の解放前夜を撮ったラオス映画と、父子関係を人情味豊かに描いたミャンマー映画の2本の長編作品が上映されたのも日本ではきわめて珍しいことであった。 例年観客動員力が高いのが中国語圏映画である。香港の「つきせぬ想い」は、女優アニタ・ユンの魅力と相まって観客が長蛇の列を作った。福岡の反応を見た翌日、東京のプロモーションに向かった監督と女優の顔には自信が満ち溢れていた。リー・アン監督の「恋人たちの食卓」(台湾)、中国の「哀戀花火」の新作上映とともに協賛企画でツイ・ハーク監督の「上海ブルース」や「天幻城市」等それまで福岡で劇場公開されなかったニューウエーブ作品がプログラムされ、中国語圏映画の紹介が大きく進んだ年であった。 「アジア映画監督会議」も協賛企画で実施され、ホウ・シャオシェンや川島透らアジアの監督たちがアジア映画について語り合った。
○スリランカ・フォーラム(9月12日/福岡市役所15階講堂) ○協賛企画:アジア映画監督会議(9月11日/イムズホール)