オープニング上映作品「カラー・オブ・パラダイス」が直前のモントリオール世界映画祭でグランプリに輝いたことで熱い注目を浴び、時の人となったマジド・マジディ監督(イラン)はモントリオールからテヘラン、ドバイ、香港、福岡と乗り継いで、劇的にも上映直前に会場に到着。観客の興奮は最高潮に達した。この話題作は、のちに「太陽は、ぼくの瞳」の題で劇場公開されることが決まった。 上映前から話題を集めた作品としてはほかにも、インドのシヴァン監督、サントーシュ・シヴァン監督の親子での出品、イランのアボルファズル・ジャリリ監督の35ミリ第1作、台湾の新人3監督によるオムニバス、九州でもロケが行われた日中合作映画などがあった。モンゴルの「新文字先生」は爽やかで楽しい映画。マスコミ、観客の評判も高く、ビデオ作品ではあったが、“優れたアジア映画の発見”という本映画祭の目的を再認識するものとなった。 この年は5人の女性監督の作品が一堂に会したが、このうち「アパートメント」(ベトナム)、「ホセ・リサール」(フィリピン)の2作品がその後、東京国際映画祭・カネボウ国際女性映画週間に招待されることとなった。 またホウ・シャオシェン監督(台湾)の第10回福岡アジア文化賞・大賞受賞を記念してのホウ監督初期作品の上映、福岡中国映画会による「満映〜国策映画の諸相」日本語版出版を機にしたシンポジウムが、それぞれ協賛企画として映画祭に合わせて実施された。 なお過去4作品を福岡映画祭へ出品しているベトナムのダン・ニャット・ミン監督が、日本経済新聞社主催の日経アジア賞を受賞したことも嬉しい知らせだった。
○シンポジウム「21世紀の映画づくりとアジアの伝統文化」(9月14日/エルガーラホール) ○協賛企画:今、語る「満州映画協会(満映)」(9月12日/福岡市総合図書館第1会議室) ○協力企画:青木透写真展「アジアの映画人たち〜出会いと夢の旅〜」(9月10〜30日/ギャラリー大手門)