21世紀最初のアジアフォーカスは、15か国地域50作品と昨年同様最多の上映本数に、開催11回目で初めて2万人を超える入場者数を記録した。いま振りかえれば、充実した11日間といえるが、開幕直前にはニューヨークで同時多発テロ事件が起こり、福岡映画祭も大きな影響を受けた。アメリカを中心とした航空路線の運休などで、数名のゲストが来日不可能となった。事件発生当時カナダに滞在中であったマジド・マジディ監督は、監督作「バラン」のオープニング上映にやむなく欠席。会場ではマジディ監督からのメッセージが披露された(マジディ監督はその後4日遅れで来日)。アフガン難民を扱った作品だっただけに、世界平和について改めて考えさせる場となり、涙する参加者も見受けられた。 この「バラン」などイラン映画の最新作4本を集めた「イラン映画コレクション」の他に、「中国語圏映画特集」の多様なラインアップ7作品も注目を集めた。また、新作2本がまとめて紹介されたマレーシアのアズィス・M・オスマン監督や、日本ロケも行われたタイ映画「絵の裏」も話題となった。 一方、「ゴビを渡るフィルム」、「山の蒼い影」のモンゴル映画2本は、福岡での評判を受けて、11月に開催されたフィルム・ネットワーク映画祭2001に提供され、東京のアジア映画ファンにも紹介された。 なお、この年、第12回福岡アジア文化賞・芸術文化賞を受賞したマリルー・ディアス=アバヤ監督は、福岡映画祭にとってもたいへんゆかりの深い監督である。フィリピン映画界を代表するディアス=アバヤ監督の福岡映画祭出品6作品はこれまでで最多であり、福岡発で広く知られるようになった一人。年末には98年の大作「ホセ・リサール」も岩波ホールで封切られた。
○フォーラム「アジア映画は元気なのか〜韓国映画を中心として」(9月18日/エルガーラホール)