擯榔売りの娘(仮題) ・台湾
BETELNUT BEAUTY ・ Taiwan

ペギー・チャオ(焦雄屏) プロデューサー

「北京の自転車」と「擯榔売りの娘」は、私の企画したシリーズ「三都市物語(三城記)」の中の作品です。この企画は中国大陸と台湾、香港の社会が、それぞれ新しい世紀に向かっていく中で起きた変化を作品にしようという考えのもとに膨らんでいきました。今、これら三つの社会は、この50年来なかった大きな変化に見舞われています。ご存知のように、中国では経済改革・開放政策がとられ、台湾では50年続いた国民党支配が終わり、それまで野党であった民進党から新しい大統領が誕生しました。また香港は97年に中国に返還されました。このような状況のもと、人々が新しい人間関係や試練に直面しながら、その変化にいかに対応しているかを描くのにふさわしい時期だと感じました。そのために新しい感覚をもった新人の監督、スタッフを使い、さらに外国との共同製作という形をとって、21世紀の中国語圏の映画を撮ることになったわけです。新しい配給網を使って、より多くの人に知っていただこうと思います。
─檳榔売りの娘

 檳榔は台湾の特色ある果物ですが、若干の覚醒作用があります。日常的に食べているのはタクシードライバーやトラックの運転手の人たちで、檳榔売りの店構えや売っている人はやや色っぽく、性産業とも関連しています。統計によると、いま200万人の人がこの檳榔の商売にかかわっているということです。さらに、檳榔の栽培は環境破壊の元になっていて、土壌流出の大きな原因です。

 この映画では、主人公の男性は兵役から帰ってきて無頼の生活をし、また女性は檳榔売りをしています。一体どうすればよいのか、なすすべもなく毎日を送っている若者を描くことで、社会問題を活写しています。つまり、この男女を象徴として、台湾が抱える複雑で困難な社会状況を描いているわけです。