91年にスタート以来の総入場者数が、映画祭初日に20万人を突破するという節目を迎え、昨年と同じ総上映本数60作品に、最多の入場者数を記録した。特に今年は女性監督の作品が目立ち、「アジアの女性監督たち」と題した部門で6作品を上映したが、なかでもクルド問題を扱ったトルコ映画「少女ヘジャル」は大きな注目を集めた。 また50周年を迎えて変貌しつつあるベトナム映画界から、新たなタイプの作品を特集した「ベトナム映画コレクション」、人気の高い韓国映画から多様な作品を集めた「韓国映画コレクション」の部門も話題となった。 映画祭全体としては、長編劇映画のみならず、日本の池谷薫監督が中国を舞台に撮った「延安の娘」、イランを代表するマジッド・マジディ監督が隣国アフガニスタンの国情を見つめた「裸足でヘラートまで」といったドキュメンタリー、そのマジディ監督や韓国の6人の実力派監督たちによる傑作短編群にも、多くの映画ファンが集まった。 近年活況を呈しているタイ映画界からは、「メコン・フルムーン・パーティ」、「ワン・ナイト・ハズバンド」と新人監督の注目作2本が登場した。アジアフォーカス初参加となるオーストラリアからも新人のデビュー作「雲の下を」が出品された。 春先にはアジア地域でSARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行し、映画祭ゲストの参加も懸念されたが無事収束し、コンコナ・センシャルマー(インド)、ニンミ・ハラスガマ(スリランカ)、チャン・キム・カイン(ベトナム)、シリヤゴーン・プッカウェート(タイ)、チェン・シアンチー(台湾)、チャン・ミヒ(韓国)といったアジア各地を代表する女優たちが、映画祭に華を添えてくれた。 なお「アジアからのメッセージ」と題して実施したフォーラムには、福岡を“第二の故郷”と呼ぶフィリピンのマリルー・ディアス=アバヤ監督が、パネリストのひとりとして駆けつけてくれた。