Suffocation 「窒息」

China/中国

チャン・ビンジエン 監督(右)

チャン・ピン 製作会社(左)

>>チャン・ビンジエン〔監督〕
 中国の現代映画は、ソ連の社会主義リアリズムの影響を受けたものばかりでした。ですから、そのような映画で求められるのは、はっきりしたわかりやすい結末です。この映画が今までの作品と違うのは、余韻を残して、結末を観客のみなさんに想像していただくものだということです。
 中国初のホラー映画だといわれますが、検閲があるため殺人の過程や暴力、性的な表現はできません。亡霊も迷信だということですから、描けません。制限の中でいかに表現するか、とても頭を使いました。
 中国の社会は急速に発展し、経済も上向きです。しかし、その一方で精神的なものがどんどん失われ、ストレスを感じる社会になっています。特に心の健康を失いがちな若者が増えています。これから求めていくべきものは心の健康ではないでしょうか。その意味でこの作品は、人間の内面を追求したものだといえます。また、このような社会状況を反映しているという意味で、社会的なリアリズムの作品ともいえるでしょう。
 この映画の約9割が“水”に関係あるシーンです。水は人間の存在に大きくかかわるもので、人間の存在そのものの象徴です。魂を失った主人公が、魂を探しに行くという意味があります。そして、水は映画全体の雰囲気を作り上げています。
 少ない資金で作りました。が、その予算のほとんどが主役のグォ・ヨウさんの出演料になりました(笑)。

>>チャン・ピン〔製作会社〕
 中国初の心理劇映画です。私たちの映画会社がこの作品を撮ろうと思ったきっかけは、中国映画がこれから発展していく方向性を見定めたからです。そのためには今のような状態ではなく、もっと多様化していくことが必要だと思いました。この作品は、中国映画が多様化するさきがけになるでしょう。新しい実験的な作品を撮ることが、これからの中国映画の発展に役立つはずです。
 中国の若者たちもサスペンス映画を見たいと思っています。そのような興味からいえば、この作品はサスペンスの雰囲気は十分ではありません。検閲があることと、ほかの国にはあるR指定がないことが影響しています。しかし、厳しい制約の中で監督は努力を重ねてこのような作品を作り上げました。