開催17回目を迎えた今年の映画祭は、新ディレクターに梁木靖弘氏が就任するとともに、名称に“国際”の2文字を加え『アジアフォーカス・福岡国際映画祭』として、新たなスタートをきった。観客が観たい作品を選択しやすいように、何を見せたいのかというコンセプトを明確にし、「泣くな、踊れ、アジアの女性たちよ!」「ディーパ・メータ監督特集〜ディアスポラのアジア」「日本の民衆史」「福岡フィルムコミッション支援作品」など、さまざまな切り口で特集を組んだ。そのほか、アジアの新作・話題作でも注目すべき作品を集め、芸術から娯楽まで、アジア映画の幅広さと魅力を満載したラインナップを揃えた。 オープニング上映作品は、2007年ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた、ワン・チュアンアン監督の「トゥーヤの結婚(仮題)」。同作品は2008年お正月第2弾ロードショーとして劇場公開が決定した。また昨年より始まった市民が選ぶ福岡観客賞(コダックVISIONアワード)には、リュー・フイン・リュー監督のベトナム映画「アオザイ」が選ばれた。 多彩な関連イベントも開催した。「泣くな、踊れ、アジアの女性たちよ!」で特集された監督たちをパネリストに迎えたフォーラムでは、昨年度日本映画界の話題をさらった「フラガール」を鑑賞後に、映画の中で表現される女性と踊りについて意見交換を行った。また、この年、福岡市と姉妹都市を締結した韓国・釜山市で開催されている「釜山アジア短編映画祭」の入賞作品等6本を上映するとともに、同映画祭ディレクターと入賞作品監督による、シンポジウム「釜山からの新しい風」を開催した。地元・福岡出身の国民的歌手、赤坂小梅の生涯を描いたドキュメンタリー「小梅姐さん」の上映では、炭坑節の踊りやSPレコードコンサートなどで会場を盛り上げた。 映画祭開幕前の8月には、アジア映画ファンの裾野を広げようと、3回連続の映画講座“シネマ・デ・アジア”を開催した。福岡市総合図書館映像ホール・シネラを会場に、李鳳宇・高樹のぶ子・石坂健治の各氏が、アジア映画の上映後に梁木ディレクターとの対談を行った。